先祖返り通信
2001年11月号 其の五

 10月23日は暦の上では「霜降」。でも関東では25℃を越える夏日になりました。 ピーマン等の夏野菜も終わりになるかと思いましたが、片付ける程には衰えをみせず、 10月末まで収穫させてもらいました。まだ穫れそうですが、秋野菜が出始めてきたので 「ありがとう」と言葉をかけて、片付けさせてもらいました。長期予報では、 今年の冬も平年より暖冬になるとのことですが、秋冬野菜たちの遺伝子の中には、 冬は寒いものだという情報が入っているはずです。 大丈夫なんでしょうか。とは言っても、着実に日暮れが早くなり、作業できる時間が少なくなり、朝布団から起き出すのに時間と勇気が必要になってきました。

虫見 其の弐

 2年前の農業研修時代の秋、ヨトウムシという蛾の幼虫が大発生したことがある。 里芋、キャベツ等の葉を食い尽くす勢いだった。研修生も必死になって虫見(虫潰し)をするが、虫の繁殖スピードにとても追いつかない。 増え続ける害虫に、一体どうなるんだと不安を感じて、虫見を続けていたら、或る日ほとんどのヨトウムシが白く干からびたようになって死んでいた。ウィルスが出たのだ。感染したヨトウムシをジューサーで砕き、培養液を作り、ヨトウムシが元気な畑に散布した。 その後、虫見から解放され、実りの秋を迎えることができた。

 自然は不自然なものに対し、自然に戻そうとする働きがあるようだ。 一定の場所に秩序よく、作物を並べ、草とり、虫とり等大事に大事に作物を育てる。 この不自然さを取り崩そうと雑草が生え、害虫が作物の成長を抑えようとする。 次に害虫が増え過ぎるとウィルス等で数を抑える。大自然な一定のバランスを求めているようだ。 バランスを崩している要因には、大自然からは何らかの作用がある。

 昨今、自然界で急激に増え続けている生き物は、疑いもなくヒトである。そして、ヒトの快適な暮らしのため、日々野生動物が姿を消している。 そんな中、エイズ、O157、狂牛病と次から次へと新手の難病がヒトの恐怖となり、最近では、世界戦になりかねないヒト殺し合戦が始まった。
 次は何?ヒトから食べ物を奪う?先進国主導による着実な歩みの温暖化、大気・土壌・水質汚染は、これまた着実に不自然な営みである作物つくりに影響を及ぼしている。 アフガンでは3年間も雨が降らず、オイラのいたニカラグァでは、太平洋側は旱魃、カリブ海側はハリケーンによる洪水が毎年の恒例行事のようになっている。 今のところ泣いているのは多くの途上国。日本を始めとする先進諸国は、途上国の悲惨さの上にあぐらをかいて、エネルギーや食糧を浪費している。

 里芋の葉を食い散らかしているヨトウムシにヒトの姿がダブって映る。 研修時代には、ヨトウムシにウィルスの培養液をかけたが、最大のCO2の排出国であるアメリカでは、今誰かが炭疽菌を撒いている。 もちろん、これが一連のテロなら賛成できない。しかし、差出人は、大自然かもしれない。 オイラたちもヨトウムシになっていないかな?

今後出るであろう野菜たち

キャベツ シンクイムシの被害をくぐり抜けたキャベツが登場。ビタミンCは、中の白い部分より、緑の濃い外葉に倍含まれます。Cは水溶性なので、千切りを水につけると半減します。 胃腸病に効果的なビタミンU、日本人に不足しがちな必須アミノ酸のひとつのリジンも含みます。胃腸薬のキャベジンは、ここから名が来たのでしょうか?
ブロッコリー 外葉にCが多いのは、キャベツ同様、炒めもの等に使って下さい。ブロッコリーは花のつぼみです。 放っておけば、黄色く花が咲きます。何でアメリカ産のは、花が咲かないのでしょう。 茹でるより蒸した方がビタミンの消失は少なくすみます。加熱しすぎに注意。
大根 この時期は寒さに弱い青首。大根葉はもうたくさん!と言わないで。葉がついてくるのは今月までてしょう。 葉には各種ビタミン、カルシウム、鉄分を多く含んでいます。 食べ切れない方は、葉を干しておけば冬場に重宝します。食べれるばかりでなく、干し葉を入浴剤に使えば、体も温まるし、婦人病全般に効果があります。 先月、野菜を干すとビタミンB群が増す、と書きましたが、Bでなく、カルシウム吸収に必要なDが増えるの間違いでした。
人参 原産地は話題のアフガニスタン。ビタミンAを多く含みます。Aは脂溶性なので、炒めて食べるのが効果的。
さつまいも 蒸かして食べたら甘くなくてガッカリした方も多いでしょう。私が一番ガッカリしました。 干して貯蔵したらデンプンが分解され、甘くなるというのでもう少し後のさつまを期待して下さい。それまでは比較的甘みのある細目のもの、傷付きで貯蔵できないものを中心に出します。 甘みの足りない方は、お菓子や大学芋等に「錬金」して食べて下さい。
里芋 今までは主に子・孫芋を食べる夏芋でしたが、今月は親芋も美味しい八つ頭も出してみようかと思います。 先月書いた里芋湿布は、皮を厚くむかないと、ひどく痒くなるとの御指摘がありました。 すでに試されて痒かった方、ごめんなさい。
レタス さっと炒めたり、汁の実にしたりしても意外な美味しさがあります。
半結球白菜 色の淡い山東菜、細長いタケノコ白菜。漬けても、茹でても、炒めても。 月末頃には、結球した白菜も出るかも。
葉物 新しいところでは、春菊・からし菜・チンゲン菜など。
ほうれん草 各種ビタミン・鉄分を多く含むポパイご愛用の健康野菜。 結石の原因になるシュウ酸を含むといいますが、よほど大量に食べない限り大丈夫とのことです。

今月の先祖帰り

 この通信も其の参から手書きに変えました(インターネットでは活字です)。 先祖返りを目指しているのに、便利なワープロを使っていたことに後ろめたさを感じていましたが、校正のやり易さ、見やすさから使い続けていました。 そこへ「ワープロじゃ、伝わらないわよ!」と公私共々お世話になっている自然食のお料理教室の五十嵐先生に指摘され、手書きに切り替えました。 下手な字で読みづらくなってしまいましたが、どうですか?  きれいに印刷されただけのあいさつ状やワープロ書きの手紙をもらうと、どこかガッカリします。 少しでも肉筆で添え書きをしてくれるだけで嬉しいものです。 そこに友や恩師の気持ちを心のつながりを感じとれるからではないでしょうか。 字の上手い下手ではないのだ思います。
 料理も同じです。冷凍ものや出来あいのものをチンして食卓にあげるのと、たとえ美味しくなくできたものでも、手づくりの料理には気持ちが伝わるはずです。 気持ちの部分を合理化してしまっていいのかと思います。


お知らせとお願い

 会員数の拡大がまだまだで、このままだと野菜が余ってしまいます。私の方でも引き続き努力しますが、 会員の方でお歳暮に野菜セットを送っていただける方も募集します。(料金は2,000円プラス送料)よろしくお願いします。
 次にこの通信についてのお願いです。其の壱から保存していただいている方は、それはそれで嬉しいのですが、もし読んでからゴミにしている会員の方がいたら、ご面倒でもご返却いただけないでしょうか。 弱小百姓のコピー代節約と、紙資源の節約にもなります。 ゴミ対策はリサイクルよりリユース(再使用)、リユースよりリフューズ(拒否)です。 少し寂しいですが、読んでいない方がいたら、リフューズして下さい。お願いします。

後記

 港では風邪がはやっているようですが、皆さんは大丈夫ですか。私は、百姓を始めてから、風邪をひきません(ひけません?)。もちろん、様々な工夫を、お金をかけずにしています。いつかお伝えしましょう。健康がなによりの宝です。
そろそろ霜が降り、寒さも厳しくなるでしょう。皆さんも、くれぐれも御自愛下さい。

2001年11月吉日
コバ
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