2002年6月号 其の拾弐
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田んぼに小さな苗が行儀よく並び、日暮れと共にカエル達が一斉に鳴き出します。晴れると日差しがきつく、野球帽から麦ワラ帽子に変わり、いよいよ夏のはじまりです。日の出ている時間も長く、夜7時すぎまで畑で作業できます。朝も5時起きの毎日ですが、決してやることが無くなることはありません。きっと一日が48時間あっても同じだと思います。夏至までまだ日が長くなるし、梅雨に入ると、やりたいことが思うようにできないので、できるうちにできるだけやっておき、あとは天まかせです。
さて、明日はどこまでできるかな。
浅知恵 夏野菜達がほとんど畑へ出た。オカノリやトンブリなどの新しい野菜にも幾つかチャレンジしている。これらの新顔の中に、モチとうもろこしがある。甘さは控え目だが、モチモチ感のあるひと昔前のとうもろこし。今年は流行の甘〜いコーンを播かなかった。
去年、市販のとうもろこしの種にも、スターリンというアレルギーの原因になる遺伝子組み換えの種が混入しているという報道があったからだ。とうもろこしは、実がつくとかなりの確率でアワノメイガという蛾の幼虫の侵入を受け、実をかじられる。甘いとうもろこしほど、現代人同様虫も好む。しかし、現代人は虫食い作物を嫌うので、通常は実がつくと、虫の侵入口の穂先に農薬をつける。でも農薬は人間の体にも悪いし、農家の手間でもある。そこで殺虫成分のあるバクテリアの遺伝子をとうもろこしの遺伝子に組み込んで、虫が食ったら死ぬとうもろこしをアメリカが開発した。人間には無害のはずが、次第にアレルギーの原因になることがわかり、食用への生産が中止になり、回収された。でもその後、日本のお菓子などの加工品や、栽培用のとうもろこしの種(ほとんどがアメリカ産)からみつかった。ありゃりゃ、何で?
食用には禁止になっても、家畜のえさ用には生産されているので、それが食用のとうもろこしに混じっちゃたせい。先月書いた種の「交雑」というやつ。研究室ではあり得ないことが、自然界では風の強さや向き、花粉の運び屋の虫などの活躍で、人の予想をはるかに上回る距離を花粉は旅をする。
今までも、便利だ、画期的だともてはやされ、世に出てきたDDT、サリドマイド剤やフロンなどは、その危険性がわかると使用が禁止になったり、回収されたりした。遺伝子組み換え作物は、スターリンの他にも特定の除草剤に強い大豆や菜種など、すでに生産、流通している。一方、雑草も害虫も虐げられ、短い世代交代の度、生き残るため遺伝子を改良しているわけで、すぐに耐性をもち、効き目がなくなったり、組み換え作物の除草剤に強い遺伝子を交雑によって獲得した、通常の除草剤では枯れないスーパーストロング雑草が誕生したりしている。
遺伝子組み換え作物は、今まで回収された化学物質とは違い、一度自然界に放されると、同族の他の植物にその遺伝子情報を組み込んだりしながら、ねずみ算式以上に拡大する。まずい、と思っても、決して回収できない。なのに、アメリカや日本では、将来の食糧政策の切り札として、更に遺伝子組み換えの研究を進め、主食の米もその研究対象にしている。今までも、科学の最先端で作り出されたものの中に隠された危険性が後の科学の最先端でどれだけわかったことか。それとも今度こそ大丈夫なのか。今度は、人が生きていく上で、不可欠の食べ物での話だ。本当にそんな危険なギャンブルをせざるを得ない状況なのか?
依然し組み替えの可能性のあるアメリカ産の種の甘いとうもろこしを近所の農家や家庭菜園で作っている現状の中、国産種のモチとうもろこしを作ったところで、残念ながらやはり組み替えとうもろこしとの交雑の可能性は残る。もう、仕方のないことなら、虫が食おうと、アレルギーになろうと、甘いの作れよ、そっちの方が会員も喜ぶし、売れるぞ、という内なる声もある。それも、そうか???
画期的な科学のなかった時代のご先祖様から脈々と伝わってきた「生きる」ための遺伝子をここで傷付けて良いのか。子に伝え遺す「遺伝子」に、負の遺産を残して良いのか。歴史に学ぶべきである。大きな便利快適の裏には、必ず同じか、それ以上の危険があることを。オイラは特定の神様を信じない。しかし、遺伝子という命の根幹とも言える部分に、種の壁を越えて手をつけるヒトの行為は天をも恐れぬ驕りを感じる。少しでも危険の少ないものをという気持ちと、このモチモチとうもろこしを食べた人が、遺伝子組み換えのことを考えてくれると良いなぁ、と思いながら種を播いた。
(自分の遺伝子の存続を心配した方が良い、栃木の36才独身)
今後出そうな野菜たち 順調に行けば、今月から夏野菜が少しずつ登場します。
夏に向けて畑に出した野菜たちは、ナス(長ナス・丸ナス・加茂ナス・小ナス・青ナス)、ピーマン、バナナピーマン、ししとう、甘長とうがらし、とうがらし、キュウリ、苦ウリ(長、太)、ズッキーニ、カボチャ(栗、サラダ、そうめん)、小玉スイカ、マクワウリ、冬瓜、トマト(大、中、ミニ)、モロヘイヤ、ツルムラサキ、オカノリ、オカヒジキ、トンブリ、オクラ、枝豆、インゲン、シカクマメ、フダンソウ、ワサビ大根、ミニセロリ、とうもろこし(国産種)、白モチとうもろこし(ヤングコーン含)、みょうが、シソ、バジル、エゴマ(葉)...これで全部だったろうか。全てが豊作になったら、嬉しいような、恐ろしいような。各野菜の説明は、通信の其の壱と其の弐を読み返してみて下さい。又は、私に直接お尋ねになっても結構。今年の初めての野菜は、今後の通信などで紹介するようにします。ズッキーニ、ナス、ピーマン類、キュウリ、オカヒジキ、サラダカボチャ、ここら辺が今月からセットに入ってくるでしょう。オカヒジキは去年のこぼれ種がワンサカ出てきたのを、最初は間引きながら、根付きで出す予定です。根付きできたらかたい茎を除き、ポキッと折れるところから先を料理して下さい。オレンジ色のサラダカボチャは、皮のままスライスして、サラダや浅漬けで。
栃木の6月は新じゃが、新玉ネギの季節でもあります。日本列島は縦に長く、南国の新じゃがは、もっと早くとれ、全国の流通にのります。先週書いた「身土不二」に通じますが、生活する土地の旬を食べることで、体に自然本来のリズムが目覚め、健康に結びつくのです。
後記 今号は、遺伝子組み換えを取り上げました。現在、日本でも組み換え作物の有無を食品に表示することが、義務付けられています。しかし、食品全体の5%未満の混入だったら「組み換え不使用」を表示できることを知っていましたか?こういった抜け穴を用意しておかないと、輸入作物に大きく依存している現状の日本の食生活は維持できないようです。もちろん5%になんらの科学的根拠はありません。
先祖返り通信も今号で1周年です。素人の枠を出ない、主観の大きく入った、偏った内容かもしれませんが、私信なので大目に見て下さい。私の大きな願いは、私を含めた会員の皆さんに健康な体ばかりでなく、健康な生き方をするきっかけに、私の野菜や通信が一助になれたら良いなぁ、と思います
コバ
宅急便会員 各位これから、更に暑さが増してくるでしょう。トラックの荷台の中は、更に暑くなるそうです。そこでご希望の方にはクール便でお届けします。料金は重量、地域に関係なく、一律210円で交渉済みです。尚、生しいたけを定期的に購入されている会員の方も、夏場はクール便以外では発送できないとのことです。(小麦粉も同様、干しいたけはOK)
クロネコ便は、宅配業者の中では荷の扱いが良い方なのですが、お中元の時などアルバイトを多く使う繁忙期には、着荷状態が悪くなる時があります。もし、荷受け時に箱がつぶれていたり、野菜の汁がしみ出ているような場合は、ご面倒でもドライバー立会いの元で、中を確認して下さい。ご報告いただければ業者と交渉してみます。但し、トマトなどの割れやすい野菜は、荷作りの時に置く場所や新聞紙などでの保護の配慮はしますが、少々の傷みはご了承願います。
今後も月初めに私宛のハガキを入れておきますので、野菜や通信の感想や要望などを何でも自由に書いて返送して下さい。特に疑問や不満点がありましたら、溜め込まずにお伝え頂ければ、できるだけ誠意をもって回答ざて頂きます。宅急便会員の場合、顔がみえないので、お届けしている野菜等の反応について、不安になる時があります。ご面倒でも、返信して頂ければ嬉しいです。
先祖会員 各位いつもお世話になっています。
配達時間が不定期になったりで、地元の会員の方ともお会いできないことも多くなっています。そこで各ポストにノートを一冊おかせてもらうことにしようと思います。ノートに、私の方からは新しい野菜の案内を書いたり、毎月の集金の請求、領収にも使おうかと考えています。会員側も会えない時に、野菜や通信等の感想、要望、疑問や不満点など何でも自由に書いて下さい。できるだけ誠意をもって回答させて頂きます。
会員側から書くことが何もなくても、わかる場所にノートを出しておいて下さい。ご面倒でも宜しくお願いします。<< 其の拾壱 << >> 其の拾参 >>
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