先祖返り通信
2002年8月・9月合併号 其の拾四

 残暑お見舞い申し上げます。セミの声と秋の虫の声が入り乱れる頃となりました。
ピーマンなどの夏野菜の収穫の最中に、人参・キャベツ・大根・白菜・等々の種まきが始まりました。秋野菜へのバトンタッチはうまく行きますでしょうか?

畑一番の元気もの

 それはオイラ!のわけがなく、それは野菜たち!だったら嬉しいが。畑で、今、一番生き生きしているのは、メヒラバ、スズメノテッポウ、スベリヒユなどの名前をもつ雑草たち。特に、梅雨で水を得、暑くなる程に、その成長ぶりに「オッカネェ!」と幾度感じたことか。種もまいてないのに、肥料も、間引きもしないのに、その勢いといったら、まさしく「雑草魂」。すぐに野菜たちの背丈を追い越し、光、水、肥料を得る特等席に陣取り、野菜を追いやる。それじゃオイラの暮らしが成り立たんと草を刈る。刈っただけではすぐに伸びてくる。引っこ抜いても、ひと雨でまた根付いてしまう。スベリヒユなんか、切り刻んでも、そのひとつひとつから根を出し、更に勢力を拡大する。刈られた雑草は、その何百倍もの種をおとす。まるでゾンビ。

 一方野菜たちは大きくなるように周りの草を刈ったり、肥料をやったりと世話を焼かねば病気になったり、枯れたり、だめになる。そんな「甘ったれ」遺伝子をもつ。

 自然は不自然なものに良い顔をしない。環境にやさしい有機農業といっても、畑で等間隔に真っ直ぐ植えられた野菜たちは、やはり不自然の枠から出られない。だから自然に戻そうと色々な雑草が勢力を伸ばす。

 雑草だって「生」を受けるには、意味がある。土は太陽の下、長い間むき出しになっていると、乾燥し、土の中の微生物や小動物が住めなくなり、やがて砂漠や不毛の地となる。雑草たちは、土を覆って乾燥を防ぎ、小動物や昆虫たちに隠れ場所や食べ物を与える。土の中で勢い良く張った根は、土を耕す。一生を終えた草の葉や根の亡骸が、微生物や小動物たちの糧となり、それらの排泄物や亡骸が土の栄養になる。まさに共生。

 アスファルトのちょっとした隙間からも雑草は出てくる。使われなくなって久しいパチンコ屋の駐車場は、いつの間にか雑草ボウボウ。コンクリートで固められた所に生きられるものは、少ない。草が生えることで、「生」の連鎖を再開させようとしているかのよう。コンクリートばっかりでも人は生きられるよ。と思い上がっていると、ヒートアイランド、はたまた温暖化で長〜い目で見れば、やっぱり生きられないような気がする。

 せめてオイラの畑では、できるだけ雑草の生まれてきた意味をくんでやろうと、不耕起草生栽培の畑を作ったり、今年のカボチャ類は刈り取った雑草を敷き、わらの代わりにして、草を防ごうとした。でも結果はさんざん。カボチャは草に埋もれて大減収。その他でも去年落ちて残った草の種が沢山あり、草の勢いが去年より激しく、草に埋もれた野菜たちも多い。来年は、もっと大変になるだろう。共生は本当に難しい。

 雑草はその生命力の強さから、薬草としての効用があるものが多い。ドクダミは「十薬」として知られ、スギナやヨモギは、ガンやアトピーなどの難病に効果があったという報告もある。今のオイラたちの暮らしは、「便利」という錦の御旗の副産物として、食品添加物などの人体には不自然な様々な化学物質を日常的に取り込み続けている。本来、解毒、排毒の役目をもつ肝臓や腎臓が悲鳴を上げ、病名がつく所まで行くと、薬というまたもや人工の物質を処方される。毒をもって毒を制す?

 街のコンクリートにまで出てくる雑草、人体からの排毒作用を促す雑草。畑での一番の元気ものは、実は日頃虐待され続けている人間にまで「生」を与えようとしているのではないか。でも畑での雑草には、困ったなぁ。

 トラクターなどで工を耕さず、作物の生育のための最小限の草を刈る農法。


今後出るであろう野菜たち

 去年の記録を見ると10月末までトマトやナスなどの夏野菜をセットに入れてしましたが、今年はそんな訳にはいかなそうです。里芋や大根などが入ってくるまでの端境期(はざかいき)には、数少ないカボチャ類等で埋めていけたらと思います。
今年新たに作付けたのが、うす黄色のラグビーボール型をしたそうめんカボチャです。厚く輪切りにし、種を取って湯がき、実をほぐすとそうめん状になる変わりカボチャ。三杯酢やマヨネーズなどで和えて食べます。

 その他の馴染みのうすい野菜たちは、ポップコーン(白と赤。作り方は通信其の参を参照)や冬瓜(通信其の弐)くらいですか。それと、去年不出来、不評だったキュウリの古漬けも今年は端境期に活用する予定です。現段階では、去年よりうまく漬かっているように思うのですが。ミネラル塩を使っていますが、塩分はきつ目なので、塩辛ければ、水に浸して塩抜きして食べて下さい。エゴマの葉やみょうがと混ぜたり、チャーハンなどの炒めものに使っても美味しいと思います。表面が少し位カビても、洗えば大丈夫です。


今月の先祖帰り

 私は、日常玄米を炊いて食べています。ヌカに包まれた玄米は炊くと夏場だと傷みやすいものです。でもお櫃(おひつ)に入れておくと大丈夫です。(2日以上はおいたことがないですが)加えて、朝の炊きたてより、お櫃に入れておいた少し冷えた玄米を食べる時の方が匂いも味も良いように感じます。理由は良くわかりませんが、先人の知恵は素晴らしいものです。なんで廃れてしまったのでしょう?

 私の畑での肥料の中心になっているヌカですが、漢字で書くと米に康らかで糠。一方多くの人が食べている白米を漢字一字にすると粕。未製粉穀物のありがたさは、またの機会にゆずりますが、漢字というのは実に面白いものです。
これまた先人の含蓄の深さに脱帽です。


後記

 今号は8,9月の合併号になりました。さぼったね、と言われれば否定はできませんが、無理をしなかった、という言い訳を自分の中でしています。夏は除草をはじめ、作業が多いのですが、日も長く、朝は早い時で4時、夕方はいつも7時すぎまで畑にいました。もちろん昼休みは長目にとりましたが、やりきれない畑仕事も溜まってしまいました。

 私の中では、この通信を書くことをとても大事にしているのですが、先月は体を休めることを優先しました。ご理解・ご了承願います。

 でもひと月通信を休むと、考えばかり膨らんでしまい、いつも以上にまとまりなく、遅筆になってしまいました。8月のおわりにこれを書いていますが、夏休みの宿題をぎりぎりになってやった小学生の頃を思い出しました。

コバ
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