2002年11月号 其の拾六
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霜がすぐ近くまで来ています。蚊もゴキブリも姿を消し、夜の星がきれいになり、冬の訪れを感じる今日この頃です。この時期、たくさん食べて春まで冬眠できたらいいなと思ってしまいます。だからでもないのでしょうが、最近眠くて仕方ありません。皆さんはどうですか? くり返しとたれ流し 先日、くわでねぎの土寄せに熱中していると、通りがかりの農家のおじさんが、「にいちゃん、頑張んねえ、昼めし食わんのかい?」。「もう、昼っすか?」とオイラ。「ほれっ。」とおじさんの指先は真上にある太陽。
この仕事をはじめてから、毎日の天気予報がすごく気になる。種まきや苗の植え付けの時は、特に気になる。週間予報で全然雨マークがない時は、苗を畑に出すのは厳しいだろうし、種をまいてすぐに強い雨が降ると土が固まって芽が出なかったり、種が流れたり、出たばっかりの芽が埋もれてもダメになってしまうこともある。今年は、人参をまくと決まって予想外の大雨が降り、何度もまき直す羽目になった。予報は、予報。週間予報などしばしば変わる。天気の良い時に「所によっては、雷雨にお気をつけ下さい」などと言われても、栃木の中でも降水量の少ない地区にはないだろうとタカをくくって種をまくと、見事「所」になってしまい、ガックリ
天気予報のない昔は、雲の形や空気の重さなどで天気をよんで、農事をこなしてきたのだろう。そこには、多くの失敗、長年の経験や親から子への伝承などがあるのだろう。野菜の種まきは、その地方の気候で、時期を外すとうまく育たない。だから「蒔く」と書く。毎年毎年同じ時期に種を蒔き、毎年毎年同じ時期に同じ作業をする。くり返し、くり返しで体の中に農事暦が刻み込まれるのだろう。くり返し、くり返し。
一方グローバル化し、情報化が進んだこの国では、毎日毎日、これでもかこれでもかと新しいモノや情報かせ押し寄せてくる。うちに遊びに来る友達の多くが見もしないのに、テレビをつけたがる。アンテナが悪いのか、テレビに問題があるのか、NHKしか映らないのにテレビをつける。そして落ち着くようようだ。テレビの音がセミや虫の声を遠くへと追いやる。そんなに毎日毎日新しいニュースや知識が必要なのだろうか。例えば『北の国から』に感動したすぐ後、チャンネルを変えれば、原発にひびか入っているニュースを報じており、驚いてしまう。そして、その後にお笑い番組を見る頃には『北の国から』の感動も半減している。
こんな生活で、身につくものがあるのだろうか。感動した後に違うものを詰め込まず、時間を置いてそれをきちんと消化した方が良いのではないか。今、北朝鮮に拉致されていた人達の報道が毎日流れているけど、原発のひびは無くなっちゃったのかな。もう牛丼食べても大丈夫かな。生きていくためには、何が大切なのかな。
オイラに声をかけてきたおじさんは歩いていた。ゆっくりと、そして、にこやかに。
今後出るであろう野菜たち ピーマンを最後に夏野菜が終わり、セットの中で葉菜類の緑が目立つようになってきました。使う順番は大根葉や人参葉など間引いた小さい葉物を一番最初に、成熟した大きい葉物類は、涼しい所では3〜4日は問題ありませんが、一週間コンスタントに摂りたい場合は、さっと湯がいて冷凍しておくと良いでしょう。冷凍保存も中国などに頼らず、自分でやれば確かです。根の大きくなった大根や人参に葉が付いていたら、葉と根を切り離さないと、葉が根の養分を使って、ス入り(空洞)になってしまいます。白菜も最初は細長く、結球していないタケノコ白菜(炒め物に適)が入り、続いて結球白菜になるでしょう。
さて、今年も残す所少なくなり、お歳暮の季節になりました。旬の無農薬野菜のセットを送りませんか。値段は2000円プラス送料です。発送日は、火曜か金曜です。発送希望日及び配達時間帯指定があれば、お申し込み時に教えて下さい。できるだけ調整します。
後記 夏の草取りから解放され、白菜などの苗の植え付けもほとんど終わる晩秋、少しホッとします。でも、去年もそうでしたが、ホッとすると心身の疲れが出たり、孤独感が強くなったり、毎日のモチベーションが下がってしまいます。そそんな時、仲間や先輩達の農場を訪ねたり、農業以外の本を読んでみたりします。また新しい刺激を得て、励みになります。今回そんな時に読んだ本を紹介します。
『アルケミスト』(P.コエーリョ/角川文庫ソフィア)がその一冊です。夢の啓示を受けたアンダルシアの羊飼いの少年が、ピラミッドへ宝物を探しに行く物語です。数年前、友達にもらって読んでから、今回が3度目になるお気に入りの一冊のひとつです。有機農業の循環の考え方に通じる部分に気が付いたり、読む度に新しい発見と感動が残り、元気になることができます。それぞれ、読む時の自分の状況が違うので、同じ本でも心に響く場所が違うのでしょう。これからの夜長の一冊に加えてみてはいかがでしょうか。
コバ
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