先祖返り通信
2002年12月号 其の拾七

 十五夜の頃、ススキと一緒に皆さんにお届けした茶色のガマの穂が、形を白い補線に変え、北風に乗って散り散りと飛んでいくのを手を休めてしばらく眺めていました。
♪ガマの穂線にくるまれば、ウサギはもとの白ウサギ♪こどもの頃聴いた大黒様と因幡の白ウサギの子守唄を思い出しました。耳で聴いたものを、大人になってから目で確かめめられて、少し嬉しくなりました。

神の見えざる手

 今年は去年より2週間以上早く初霜が降り、例年にない寒い11月を過ごした。気温が上がらず、玉にならないレタスや白菜、なかなか大きくならないほうれん草などの葉もの類…畑にもその影響は出始めている。

 今や例年にない気候が、異常気象が、当たり前のようになっている。世界的にもヨーロッパやロシアでの大洪水、アメリカでの竜巻の頻繁な発生など、異常気象の事例は枚挙に暇がない。前号にも書いたが、各作物には、それぞれの発芽、生育適温があり、例年の気候を参考に種を蒔く。異常気象は、百姓にとっと、作物にとっても厄介なことである。干ばつ、洪水などの大規模な自然災害が起これば、壊滅的な被害につながる。

 改めて言うまでもないが、日本の穀物自給率は3割以下。その多くを海外からの輸入に頼っている。しかしアメリカなどの輸入元の穀倉地帯では、長年に及ぶ大規模な地下水のくみ上げ、農薬、化学肥料の多投で畑は疲れ、干ばつ、ハリケーンなどの自然災害も追い討ちをかけ、穀物貯蔵量が激減しているという。やりたがっている戦争が始まったりしても、自国の穀物自給を減らしてまでも、日本への輸出し続けてくれるのだろうか。

 学生の頃、社会科で「神のみえざる手」というのを習った。国が何も政策をとらなくても、経済は(神の望む)調和の方向へ導かれるのだ と昔の経済学者のスミスさんが言った。今でもどこかの偉い人も「経済は生き物である、云々」とよく言っているが、この神の手が、今や本物の生き物の集まりである自然界にも伸びているように感じる。

 南米ペルー沖の海面温度が上昇するエルニーニョ現象は、世界的な異常気象の引き金になる。以前は数年おきだったこの現象も、近年は年中行事のよう。エルニーニョ(El ni~no)とはスペイン語で「子ども」、クリスマス時期に起きていたことから「神の子(キリスト)」を意味する。暖流と寒流の合わさる世界的にも優良な漁場としても知られるペルー沖も、エルニーニョの年は、水揚げが減ることから、地元の人々は、これを畏れ、らんし乱穫を戒めていたのではないか。

 今、世界中の一部の人々の飽食をはじめとする飽くなき贅沢のため、すべての生き物のおうちである地球に過大な負荷をかけている現実を考え直し、自然との調和の方向へ進むことを、神の子が異常気象を通じて教えに来てくれているのではないか。ここで気付かねば、調和を求める神にほうり出されるのは明らかに人間だ。神さんは言っている「食い改めよ!」と。

(栃木の無神論者)

今後出るであろう野菜たち

 今年の里芋は、ちと不作です。株が太らず、子・孫芋があまりつかず、収量が半減してしまいました。皆さんのところにも、チビ芋や大きな親芋が去年より多く届くと思います。親芋は子芋と一緒に料理すると熱が通る時間が違うので、親子は別に料理した方が良いと思います。親芋だけで作る里芋コロッケや熱冷ましに効く里芋湿布(3月号参照)も試してみて下さい。チビ芋は皮をむかず、洗って茹でると、つるっと皮がむけます。それをしょうゆや塩につけて食べても美味しいものです。又、里芋を切った時、赤い筋が入っていたら、その部分はいくら加熱しても柔らかくなりませんので、除いて料理して下さい。尚、芋の保存適温は、じゃがいも、里芋は10℃弱、さつまいもは15℃弱です。呉々も冷蔵庫などに入れないで下さい。

 12月以降の冬場に新たに入ってきそうな野菜に、八つ頭(正月の縁起物)、ほうれん草、水菜(ぎざぎざ葉の京菜・細長葉のみぶ菜、共に鍋や漬物などに)、ごぼう(短くて太い大浦ごぼうが主、これも不作ですが)、タアサイ(濃緑の座布団様)、体菜(チンゲンに似たシロ菜、タアサイ同様に中国野菜は、油と相性良しも、おひたしでも良)、高菜(紫の筋入りの菜、高菜漬で有名)、紫カブ(色鮮やかに甘酢漬に)、聖護院大根(大カブ様)、芽キャベツ(シチュウなどの煮込みに)、カリフラワー....。

 冬至の前には最初で最後の(?)カボチャを入れられるかと思います。肝機能障害、白血病を代表とする血液の病気全般、母乳浄化などに効果の高いシモン芋(白さつまいも)もあります。普通のさつま芋同様に(甘みは控えめ)食べられる。この芋をご希望の方は量に限りがありますが、ご連絡下さい。他の芋の代わりに定期的にセットに入れますので。


後記

お歳暮、クリスマス、お正月と贈り物を伴う行事が続きます。皆さんは贈り物をする時、どんなことにポイントをおきますか?
 私は途上国といわれる国々で援助に関る活動していた時、相手のことを良く知り、長い目でみて有効と思われるものを現地で調達可能な安価な資材や行動で協力できたらと常に考えていました。人に贈りものをする時でも、高価なものでなくとも、相手のことを想って考えて贈ったものを喜んでもらえた時、またそんな贈りものをいただいた時に、本当に嬉しく思います。ものより気持ちのいただきものが、心に響くのだと思います。今年も皆さんからの言葉や手紙の贈りものにどれだけ元気づけられたか知れません。本当にありがとうございました。

 対価をいただいているので、贈りものではありませんが、そんな気持ちを込めてこれからも野菜をつくり、お届けできたらと思います。今後も悪い所もあわせ、是非ご指摘下さい。この一年間、私の野菜たちとこの通信にお付き合いいただきまして、改めてお礼致します。ありがとうございました。来年も引き続き宜しくお願い致します。

コバ
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