2003年月2月号 其の拾九
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「本当に寒いね。」が毎日のあいさつに組み入れられています。インフルエンザも流行しているみたいです。皆さんは大丈夫ですか。私は風邪をひくことも許されず、元気にしています。学校などの公共施設に入った時感じる暖房設定温度の高さ、外気温との違いが、体調を崩す原因のひとつだと思います。ちなみにわが家の平均気温は5℃位です。野菜たちは冷たい風雨にも晒され、もっとつらい目にあっています。冬は寒いから冬。夏は暑いから夏。だからこそ、その間の春と秋に安らぎを感じることができるのです。今月立春です。
おちばかき 冬の作業でメインになるのが、雑木林での落ち葉かき。大草を刈り、熊手で落ち葉を掃き集め、畑や林の中に積んでいく。この落ち葉かきがなんとも楽しい。落ち葉の下に隠れている虫が目当てか、モズなどの小鳥たちが近くに寄ってきては、尾を上下に振っている。腐葉土の独特な匂いが胸をくすぐる。積み上げた落ち葉のベットでひといきつく幸せはなにものにも代えがたい。
落ち葉を踏みつけながら積み上げて、風雨にあたると次第に発酵熱を持ち落ち葉が分解され始める。この熱を使い、冬日にナスやトマトなどの苗を仕立てる。分解が進む翌年には、それが優良な腐葉土になり、苗作りの床土、畑に入れると堆肥となる。落ち葉かきはいわゆる土作りの出発点となる。去年の冬がオイラにとっと初めての落ち葉かき。去年の成果が今年になってやっと畑に入る。なんとも悠長な話だが、コバちゃん農場の土作りは始まったばかりだ。行き場のない畜産糞尿で作った堆肥を買って撒けば、畑に短期間で土力のつくことは情報としては知っている。しかし、抗生物質を大量に投与する現代畜産の糞尿は、堆肥化しても残る抗生物質で土の中の微生物なども殺してしまう可能性があると聞き、畜産対比の投入は止めている。
積み上げた落ち葉に酵素を入れ、発酵、分解を促すため落ち葉の山を切り返す作業を何度かした。その時かなりの数のカブト虫の幼虫に出会った。ワクワクした。子供の頃、こんなにたくさんの幼虫を見たらどんなに興奮しただろう。粉々になった落ち葉のまわりに、たくさんの丸く小さな幼虫の糞がある。抗生物質のない肥料分だ。
カブト虫の幼虫の他にも、ミミズやヤスデなどの小動物や無数の微生物が落ち葉をえさにし、糞をし、そして最後には自らの亡骸を次の世代の糧にする。落ち葉から生まれた養分を再び植物が糧とし、葉を繁らせ落とす。雑木林で環(リング)となって繰り返されているこの営みを、百姓が作物のために、凝縮させるのが、落ち葉かきだろう。昔はお金を払ってまで雑木林の落ち葉をかいたという。その結果、田畑も潤い、里山は整備されていた。それが今では環の外。海外からのえさと自然界にない薬を大量に食べさせられた畜産の堆肥が安く手に入り、篠や笹だらけになっている雑木林が目立つ。
もうひとつ自然界の環からはずれて悪循環という環の中に入っているものが、熊手に引っかかり幼虫が食べ残す。何の気なしに捨てられた空き缶やお菓子の袋などのビニール。環の中に入れてもらえず、いつからそこにあるのだろう。大きな林になると、林道の端々に誰かの食べ物を冷やしたであろう冷蔵庫、誰かの服を洗ったであろう洗濯機、誰かに抱かれていたであろう恐竜のぬいぐるみ等々が横たわっている。これらは進歩、発展の落し物。いつまでたっても植物の糧にならない。何年かの後にはデジタル放送対応のテレビしか使えなくなるという。
「修理するより、新しく買った方が安いですよ。」
「今どき、パソコンや携帯は必需品ですよ。」(注1)
「景気を回復するためには、購買意欲を煽らなきゃ。」
あ〜あ、いつまで落ち葉かきができるのだろう。恐竜のぬいぐるみは泣いている。
(注1:このwebページは友達のけんちゃんが作ってます。コバちゃんはパソコンも携帯も持っていません
今後出るであろう野菜たち 出荷前に収穫した野菜の枯れ葉や悪い部分を除く調整作業に多くの時間を使っています。それでもキャベツ、大根や水菜類の中までは、手と目が届きません。ある程度傷んでいることを承知でセットに入れているものもあります。
食べられる部分を錬金して使って下さい。食べられる部分あるのに、畑で捨てるに忍びなくセットに入れています。そんな野菜たちが入っていたらサービス野菜としてご理解下さい。ただ可食部分が全然ない、サービス野菜ばかりじゃないか、と感じる時はご面倒でもご一報下さい。特に到着までのタイムラグのある宅急便会員の方々、お願いします。端境期野菜として先月号に書いていなかったのが
ヤーコン アンデス原産の野菜。シモン芋同様に糖尿や高血圧などに効果があります。見た目はさつま芋のようですが、食味は梨に近い?生でサラダでも良し、きんぴらなどに加熱すると甘みが増すとのことです。寒さに弱いので、貯蔵穴の一番底にあります。上手く貯蔵できていたらご賞味下さい。 (さごはち)
三五八漬け塩3、こうじ5、炒いた米8の割合で混ぜて、発酵させた床に、野菜を漬けたもの。上手く漬かりましたら、ご賞味下さい。自然塩、玄米こうじ、無農薬玄米を原料にする予定です。
今月の先祖返り 先日茨城県笠間市のふじみ湖を訪れました。採石場跡に地下水が湧き上がり、青く、きれいな水をたたえる湧水湖で、地域住民の水源地でもありました。周辺にはきれいな花々が咲き乱れ、全国でも珍しいトンボなどの様々な希少動物の生息地でもありました。
なぜ過去形かというと、去年のおわりに湖の水が抜かれ、周辺の木々が切り倒され、廃棄物最終処分場の建設工事が始まったからです。これは日本全国の少ない風光明媚な山村の多くで起きている現実のひとつです。
そして大多数の人にとっては、対岸の火事のひとつでしか過ぎないことです。施行主の行政は、最新の設備による建設で、環境を害する心配はないと言い、何年か後には水源が汚染源になるというお決まりのコースをたどるのでしょう。それをどこかのニュース番組で取り上げるでしょう。またそれを多くの人が顔をしかめて見ることでしょう。その同じ人が、翌朝ゴミ袋をいくつか持って収集所に行くのでしょう。それがホタルの生息地だった所へ行き着くことを想像もせずに。
現地見学会の後、東京の日の出村で最終処分場反対の活動をしている絵本作家、田島征三さんの講演を聞きました。田島さんは幼少の頃、高知県の川で、魚を手づかみした時の「命グリグリ」の感覚を50年以上たった今でも覚えている。こういった体験を子供たちがすることが最良の環境教育になるのではないか、と言っていました。
今年の正月は(も?)凧が空を泳いでいるのを、子供が独楽(コマ)まわしをしているのを一度も見ませんでした。節分に「鬼はあ、そとお!福はあ、うちぃ!」と声を上げる子供がどれだけいるでしょう。私の子供の頃、一杯入って顔を赤くした父が、大きな声で鬼を追い払い、豆をまき、私たち兄弟も恥ずかしがりながらも、豆をまき、歳の数だけ豆を食べたのを思い出します。
両親の幼少時代は豆を量り売りで買ってきて、ホウロクで炒り、豆まきをしたとのことです。そんな生活から処分場問題がクローズアップされるでしょうか。できることだけの先祖返り。節分に豆をまく、そこから先へ進めば良い。これもひとつの「命グリグリ」です。
後記 今号を書き始めた所でタイムリーな講演会が聴けて、いつも以上に力が入りました。しかし、力めば力む程、通信ばかりではありませんが、自分の伝えたい言葉が出てこないもどかしさに、いつもながらフラストレーションを感じます。そんな中、百の美辞麗句より、ひとつの「命グリグリ」に勝るものはない、ということに気づかせてもらい、少し落ち着きました。
ゴミの問題は、これからも避けて通ることができません。しっかり目を向けることも大切でしょう。わかりやすく、そして、心に響く田島征三さんの『森に棲みついた悪魔』(法蔵館)をお薦めします。
畑には「命グリグリ」の機会がたくさんあります。作業に追われることが多く、十分な対応ができないかもしれませんが、是非お越し下さい。今年は畑で何らかのイベントもひとつ位やりたいと思っています。ご意見をお聞かせ下さい。コバ
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