2003年月3月号 其の弐拾
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三寒四温の中、所々に春の兆しをみつけられる頃となりました。この季節の変わり目に体調を崩さぬよう気をつけて下さい。畑でも、ハコベなどの草が出てきて、レタスやキャベツなどの苗をつくり始め、「さあ、また始まるぞぉ!」との思いになります。石の上にもの三年目が始まります。
でもあまり気張らずボチボチいきたいです。
つち 先月号で、やっと土つくりがはじまった、と書いた。今回、も少し土について書く。
土をつくる、というけれど、土なんてつくるものなの?と百姓を始めようとする前は思っていた。いや、思ってもいなかったかな。研修中、農業の入門書を読むと、水はけが良く、水もちの良い土が理想である、と書いてある。正直、なんじゃそりゃ!と思った。そんな正反対のことができるわけが、である。その続きに土が単粒でなく、囲粒構造を持って、云々と書いてあるけど、苗をつくる時に使う腐葉土に水を実際にやってみるとわかった。余分な水は鉢の下から出て行くけど、時間が経って土の表面が乾いても、その下をほじくると適当にまだ湿っている。そんな土をして畑ばかりになれば良いけど、今借りている畑の土は、黒や赤の色をした土、いつでも湿った土、と様々。理想の土とやらに近づけるため、オイラはせっせと落ち葉で堆肥をつくり、援軍となる土の中の小動物や微生物、そして雑草が活動しやすい環境をつくる手伝いをする。
外様の野菜の種を土の力を借りて育ててもらうのだから、その分土に奉仕する。その奉仕の方法も今は試行錯誤だけど。落ち葉の落ちる山で1センチの土ができるのに、な〜ん十年もかかるという。あせっても仕方がない。でも日々の土の上での作業を通じ、土を大切にしたい気持ちは確実に育つ。昔の人は毒のヘビにかまれたり、悪い病にかかると、体を土に埋めて毒抜きをしたという。野生動物も体調が悪くなると大地にベタッと体をつけるという。土は悪いものを受け入れ、そして癒してくれてきた。当時の人や動植物は土を大切にし、最後はその亡骸を土に捧げ(環し)、次の世代につなげてきた。
でも今はいかに効率的に土から奪い、土の中に汚物をしまい込むことに夢中になっている。何を次の世代に残すのだろう?子どもたちが、土で汚れると多くの大人たちは、いかに土はバイ菌が多く、汚いかを言ってきかそうとする。確かに破傷風などの菌も土の中にはあるけど、それが体の中に入ってきても、対抗しうる基礎体力をつけることの方が大切で、根本のように思う。オイラは畑で何度も血の出る怪我をしたけど、そのまま作業を続けても、傷が膿んだことなどない。土の危険性を伝えるのもいいけど、土が与えつづけてくれていることを伝える教育があってもいいんじゃないかな。けなされ、痛めつづけられている土が、いじけて働かないようになる日も近いような気がする。土が元の状態に戻りたがったいる。先祖返りしたがったいる気がしてならない。ならせなら土の上で一部の動物がひたすら豊かさを求めている影で、バイ菌なんかよりずっとおそろしいダイオキシンなどの人工汚物が土の中に潜り込むみつづけている。土つくりは百姓だけの仕事ではない。次の世代でも土は土であってほしい。
今後出るであろう野菜たち 2月の末に、キャベツ、水菜がほとんどなくなり、土の中に貯蔵してある大根や人参、冬を越したほうれん草や白菜などの葉物の多くも、春の訪れとともに花を咲かす準備に入ってきて、状態が悪くなりつつあります。厳しい春の端境期の到来です。
そんな芽吹きの春に旬を迎える菜の花やノビル、筍なども去年同様セットの中に入ってくると思います。
いつでもそうなのですが、特に冬から春にかけては下ごしらえに手間のかかる野菜たちが多いと思います。私も野菜をつくる段で、これでもかという位に手間をかけます。料理する段での手間の分担にご理解とご協力を宜しくお願いします。
今月の先祖返り 「シュイッ、シュイッ」最近実家でほとんど使われていないかつお節削りをもらい、食事の度に使っています。温かいご飯にかけても、おひたしや炒めものに加えても、その香りと味がもたらす存在感はパック詰めのものとは比べものになりません。
私の小さい頃、かつお節を削ったり、大根をおろしたり、キヌサヤのスジを取ったり、ボールを持って豆腐やへ行ったりと、食事のために母から兄弟に割り当てられる仕事がありました。それらの手伝いを通じて、百姓の子どもでなくても食に対する意識が身につき、母や兄弟同士のコミュニケーション(けんかも含めてですが)が生まれていたように思います。今の子どもたちは食べるために、どんな手伝いをしているのでしょう。チンする位なのでしょうか?カミさんもいない私が心配するのもおかしいですが、かつお節を削りながら思ってしまいました。
後記 芽が出たばかりのレタスなどの苗が、早速ねずみに食われてしまいました。その被害があまりにも度重なったので、ねずみホイホイとガッチャンねずみとりを仕掛けました。するとガッチャンの方はえさのさつま芋だけかじられ、ホイホイに初日に2匹、翌日に2匹がくっついていました。ホイホイにかかると遠くへ離すわけにもいかず困っていると、もがくねずみと目が合ったような気がして、それから2、3、日よく眠れませんでした。どうにも気が小さくできています。
4月20日(日)に、畑の周辺で野草摘みの集いをします。スギナ、ヨモギ、ドクダミ、ユキノシタなど、春に出てくる野菜の多くは新陳代謝の低い冬の間に体内に溜ってしまった毒素を体外へ排出するのを助けてくれる働きをもっています。これらの野草に詳しい地元の自然食のお料理教室で指導されている若旅さんに解説をお願いしてあります。当日は10時に集合して、お昼には摘んだ野草を天ぷらにして食べる予定です。汁物はこちらで用意しますが、各自主食のご飯、箸、お椀は持参して下さい(野草を入れる袋も)。当日の準備のため4/13日位までに参加人数をしらせてくれると助かります。
なお、雨天の場合は中止です。遠方からお越しの方は、農家ペンション「コバ」で農作業体験コース付の前泊、又は後泊コースも可能です。お知り合い(特に未婚女性歓迎)を誘って奮ってご参加下さい。
お待ちしております。コバ
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