2003年月4月号 其の弐拾壱
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去年に比べて、今年は桜の開花も遅くなっていますが、これ位が平年並みなのでしょう。スギ花粉もかなり飛んでいるとと言われているのに、今年の症状はかなり軽目でした。雨が多かったせいか、はたまた食生活が良くなっているためか、いずれにしても良かったです。私の周りも症状が軽くなった人、重くなった人、両極端です。毎年、薬で症状を抑えている人に症状が早く出るようになったり、ひどくなっている傾向があるようです。皆さんはいかがですか。
ウィッキー 1994年夏、中央アメリカの最貧国のニカラグアから少年野球チームが、世界少年野球大会に出場するため初めて日本にやって来た。その中に浅黒のやせっぽちで、まつ毛の長い少年がいた。ウィルメル・フローレス君、10歳。チームの皆から「ウィッキー」の愛称で呼ばれていた。いつも明るく元気で、面倒見の良い彼を指導者はチームのキャプテンに指名した。
日本への出発が近づき、パスポートを申請するために保護者のサインの入った書類が必要になった。しかしウィッキーはその書類をなかなか持ってこなかった。期日が迫ることに焦っていた指導者は、練習後ウィッキーを呼んで、早く持ってくるようににと叱った。すると長いまつ毛の両目に涙をいっぱいためて、「ロス・ソルダドス・マタロン・ミィ・パパ(僕のお父さんは、兵士たちに殺された)」とウィッキーは言った。指導者は言葉が出ず固まった。ニカラグアは90年まで内戦状態にあった。27歳の指導者は戦争を知らずに過ごし、ここにいる10歳の少年は、幼年期を戦乱の中で育ち、大切な家族を失っていた。
内戦だから、ニカラグア人同士で戦っていた。しかし、一方の軍にある大国が「自由と平和と秩序」のためと、協力にバックアップしていた。現代世界の各地での戦争の多くに、大国の豊かさへのエゴが見え隠れする。アフガニスタンの天然ガス、イラクの石油。戦争には直接手を出さない東洋の小国も、世界中で多くの木を切り、無茶な単作を押し進めるなどして、豊かさを維持するのに躍起になっている。その影でどれだけの涙が流されてきたのか。大国の豊かさへのエゴは、そこに住むひとりひとりの国民のエゴの集合体に他ならない。
指導者は、帰国後迷った末に専門外の百姓の道を選んだ。その時、固まって言葉が出なかったウィッキーへの応えでもある。この国で素人が百姓を始めても、つらく厳しいことの方が多い。しかしウィッキーのような涙をわずかながらも減らしている実感を持てることは、確実に豊かである。畑で鍬を振るうこと、通信を書くこと、などのひとつひとつが自己流の反戦活動になる。
今後出るであろう野菜たち 白菜、大根などの冬野菜が次々となくなり、4月は年間を通じて一番野菜の少なくなる本格的な端境期です。この時期に出荷できるような作付けを工夫する必要があります。ビニールハウスやビニールトンネルで保温すれば、この時期にも青物類等を出すこともできるのですが、やはりビニールの処分の問題から積極的になれません。去年同様、畑の外の山菜や切干大根などの保存野菜で対応できればと思います。そんな中、新しく入りそうな栽培野菜に、わけぎ、ニラ、エシャロット、とうみょう(油炒めやおひたし)があります。
そして今年も春の端境期恒例のカブト虫の幼虫が小さいお子さんのいる会員のもとに届きます。生きものを育てる、生まれる、そして死ぬ。その中で感じ、学ぶことがたくさんあります。今回は幼虫、えさの腐葉土の他に、里山で育った(?)ゴミも入れておきます。幼虫が食べ残す、自然に還らないことを実際に見てみて下さい。
どうしても虫が苦手、小さいお子さんがいなくても育ててみたい方、ご連絡下さい。苦手な方でももし届いた後だったら、どなたかに差し上げるか、林に帰してあげて下さい。私には密かにエビに似てんじゃないかと考えてますが、まだそこまで追い込まれていません。
14年の収支報告 今年は青色の確定申告を期日ぎりぎりでやっと終わらせることができました。農業での販売金額は、自家用分も含め2,318,280円、必要経費が1,032,221円でした。14年の所得は130万円弱になり、おかげさまで今年は晴れて納税者の一員になることができました。
生活費の方も、先祖返り(けちけち?)スタイルをできるだけ取り入れた結果、初年度の赤字を取り戻すことができました。3年かけて黒字を出そうという当初のの目標をクリアーすることができました。
しかし、会員の方々、地主さん、家主さんなど多くの方々からのご厚意を受け、年中無休で働いて、この所得では。ひとりのままならともかく、とても家族など養えないし(養われても良いのですが、いぜん予定もなく…)、これからの新規就農者も増えていきません。ひとりで今のやり方でも、現在の毎週20セットから、あと10セットは増やすことができると考えていますし、それ以上の作付けに努めています。そうなれば少しでも余裕がでてくると思います。
これって強欲でしょうか?
今月の先祖返り たまにある外出の機会や、暑い時期の畑に、私は水筒を持って出かけます。中身はドクダミ茶などの野草茶が入ることがほとんどです。
就農前は外でのどが渇くと、自動販売機に小銭を入れ、ジュースやビールを買って、のどを潤していました。市販の清涼飲料水に含まれる多量の糖分や添加物による健康被害、飲んだ後の空き缶やペットボトルの行方、年間の小銭の合計出費、どもその場では小さく気にならないものですが、ちりも積もれば、です。荷物になったり、恥ずかしかったりもしますが、水筒の使用が解決してくれるものがあります。
後記 今春は、有機農業者同士で種苗を交換する催しに出て、フキやキクイモなどの端境期対策になり得る種を手に入れることができました。
加えて、しいたけの植菌も予定しています。いずれも結果が出るのは一年後です。この仕事は結果が出るまで長くかかります。あまり期待せず、お待ち下さい。
今回の通信は、イラク戦争勃発のため、予定していたテーマを急きょ変更して書きました。ウィッキーの涙や現代の戦争の火種が私たちの足許にあるような気がしてなりません。それを見ずして反戦を唱えても、それは偽善になるのではないでしょうか。個人が缶ジュースをかわないなどの生活の見直しをしたってどうなるもんでてもない。問題はもっと巨大なのだ!そうかもしれません。
私の高校時代の恩師の著書の言葉を引用します。「地球に通じている海は、たとえそれがどんなに大きくとも、半滴、一滴から成り立っているのである。私たちのすること、できることは、大海の中の一滴よりも、もっともっと小さいかも知れない。しかし、それを一つ一つ誠実に、心を込めて、愛をもって実践していかねばならないだろう。その一滴がなければ、大海はないのである。」(『新 甲子園の心を求めて』より) コバ
4/20(日)の野草つみの集い、奮ってご参加下さい。
電車でお越しはの方は、野木駅まで迎えに行きますので、参加申し込みの際、教えて下さい。
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