先祖返り通信
2003年月9月号 其の弐拾五

残暑お見舞い申し上げます?巻頭の文は、気候の事を書くことが多いのですが、これだけ訳のわからない天気が続くと、この通信が皆さんの手元に届く時には書いていることとかなりずれてしまうような気がして書ききれません。
はっきりしていることは、困ったねぇ、ということです。


暴走八百屋さん

 オイラの人生、あっち行ったり、こっち行ったりだけど、どこかへ導かれているような気もする。青年海外協力隊へは、野球の職種で合格したのに、派遣前の訓練所に入った時には、事務のミスから職種の野球が野菜になっていた。息抜きのソフトボールで凡打やエラーをすると、仲間たちから「やっぱり野菜隊員じゃないの!」とからかわれた。子供の頃、野球選手と学校の先生になりたかったのは記憶しているけど、6年生の卒業文集の将来の夢のコーナーでは、なぜか「八百屋になる」と断言している。もちろん八百屋さんの親戚もなく、どうしてそう書いたのか、まったくわからない。それが今野菜セットを届けると「八百屋さんが来なよぉー」とか「八百屋さん、遅かったね」等と言われることがある。ドリーム・カムトゥルー!?いや、八百屋さんと言われて実は内心あまり良い気持ちがしていない。

 野菜を消費者に直接売ってお金をもらうのだから八百屋さんでもあるけど、その前にオイラは生産者であり、百姓だ。その前提なくして八百屋さんではありえない。八百屋さんは八百万の野菜を仕入れ、お客さんの買いたい野菜と分量を売るサービス業だ。オイラが八百屋さんならば、お客さんの好き嫌い、家族構成お構いなしに畑で穫れるその季節の野菜を箱に詰めて、有無を言わせず届ける。一般的に見れば暴走八百屋さんの感がある。
 少量多品目の野菜を作り回す百姓スタイルは、単一作物を効率的に作るスタイルより土に負担をかけず、永続可能なものだと思う。またそれぞれの作物がそれぞれの育ち方をし、その各々の過程で様々な作業が要求され、飽くことは決してなく、創意工夫の楽しみ、雑多な作業は雑多な人間が参加できる可能性を秘める等、その魅力は計り知れない。暴走八百屋さんであることも、その地方での食べものの旬、自然の中でのあるべき姿の野菜たちを実感でき、食卓で自然のサイクルに合った野菜の占める割合の増加、好き嫌いをなくすことによる体質改善などが、食べる側の健康へと繋がる。オイラは今のスタイルに大きな意義と誇りと愉しさを感じている。でもそれは今の世の中の流れに沿っていないこともわかっている。
 多品目を作る過程での雑多な作業には、どれにも締切日があり、それを過ぎた種蒔き草刈りなどでは収穫が望めない、忙しく厳しい毎日がある。自分のペースでなく、作物のペースでの作業が常に求められる。正月休み以外決まった休みは、野菜たちが許してくれない。また、この不順な天候が段取りを狂わせ、それに対応する作業も加わる。そんな中でも消費者側の生産者に向けられるニーズにも、できるだけ応えたい。しかしそのニーズは余りにも多様で底なしに感じることもある。個人レベルでこれに応え出して、行き詰まる仲間も多い。応えねば売れぬ、応えれば大切な作業が溜まる。いつしか八百屋さんの前提の百姓面が圧迫される。

 オイラは今の農業スタイルを維持、進展したい。八百屋さんになればそれは難しい。セットの量が多ければ、近所で分ける仲間をみつけてもらう。苦手な野菜も工夫して食べてもらう等々会員側の協力が畑仕事の助けになる。八百屋さんとしてのサービスには応え切らないけど、安心できる食べ物を作るという生産者、百姓としてのサービスは全うし続けたい。


今後出るであろう野菜たち

 9月は今までの夏野菜が質量とも少しずつ落ちてきて、秋冬野菜の登場を感じさせる月です。小松菜やカブなどの葉物類の間引き菜や新生姜、大豆の若穫り(枝豆)あたりが、秋冬ものへの繋ぎ役になるかと思います。十五夜の前には恒例のススキとガマの穂のお月見セットが入りますので、食べないように気をつけて下さい。



お知らせ

 春は野菜摘みの集いが雨のため中止になりました。その代わりでもありませんが、10月19日(日)に、秋の収穫の集いを企画します。参加者にはさつま芋掘りや草とり、虫とり等の農作業を体験してもらう予定です。奮ってご参加下さい。
 集合時間は午前10時、コンビニエンスストアー・モンペリ隣りの駐車スペース(野木町佐川野)。昼食とお椀持参(汁物はこちらで用意する予定)。作業をするのにある程度汚れてもよい服と、軍手も持参した方が良いでしょう。10月15日位迄に出欠をお知らせ下さい。雨天の場合、翌週の26日(日)に順延します。



後記

 今年は暑くないだろうから早目に秋冬野菜の種蒔きをしようとすると、暑い日や雨が続いたり、結局平年並に白菜や大根の種蒔きをしています。どうなるでしょうか。
 通信をひと月休み、楽をさせてもらいましたが、書く期間を開けると、いちも以上にまとまりのない文になっていまい、月初めの発行にも間に合いませんでした。大事なテーマゆえに何度も書き直しましたが、やはり書き切れません。でも八百屋さんでも作家でもないので、これで良しと思います。会員の方々も様々な感じ方、受け止め方があるはずです。10月の集いへ是非いらして下さい。そして百姓の現場である畑を見てもらい、忌憚のないご意見をお聞かせ下さい。日頃顔を合わすことのない会員間の交流も図って頂ければ嬉しいです。

コバ

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